FXで勝つために理解したい! 為替市場ごとの値動きの特徴とは

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投資歴9年のライター児山です。

今回は、為替市場ごとの値動きの特徴について書いていきます。『1から始めるFX -準備編- 通貨ペアの選び方と注意すべきポイント』にも少し書きましたが、さらに詳しく書いています。

市場ごとの値動きの特徴を知ることで、取引に有利になることは間違いありません。もちろん、絶対にそのようになることはありませんが、FXを行って9年間、この特徴はそれほど大きく変化していませんので、今後のFX投資で参考にしていただけたらと思います。

4つの為替市場と取引時間帯

FXは平日24時間、365日世界中の銀行で取引されているので常に価格が動いています。唯一平日が休みとなるのは、クリスマスと元旦だけです。FXは多くの金融商品の中で、一番取引時間が長いと言えるでしょう。

日本では、各FX会社によって異なるものの、月曜日の朝6時から土曜日の朝6時頃までが取引可能です。
参考:取引時間について-ひまわり証券

そして、FXの市場は「オセアニア」、「アジア」、「ヨーロッパ」、「ニューヨーク」の4つに分類できます。市場ごとに値動きの特徴がありますので、順番に見ていきましょう!

オセアニア市場

標準時…日本時間5時から翌日13時
夏時間…日本時間6時から14時

オーストラリアとニュージーランドの銀行で取引が行われるのが、オセアニア市場です。日本時間で月曜の朝一番に為替取引が開始される市場ということになります。

月曜の朝は個人投資家が午前6時頃から取引をスタートしますが、インターバンク市場と呼ばれる銀行間取引では、午前2時頃から取引がスタートします。早朝は取引参加者が少ないために流動性が低く、スプレッドが広がりやすい傾向にあります。午前8時頃までは、ドル円などの取引量が多い通貨ペアでもスプレッドが広がっていることが多くなっています。

月曜の朝は週末に大きなニュースや選挙などのイベントがあった場合、金曜日の終値から大きく離れた価格から取引が始まる場合があります。この時の価格差を「窓」と言います。この窓は月曜日のうちに埋まりやすいと言われており、「窓埋めトレード」と呼ばれる取引を行う投資家も多く存在します。

また、ヘッジファンドなどの投機筋がこの時間に急騰・急落を引き起こす取引を行うことがあります。FXは大きく価格が動くと「強制ロスカット(※)」が働きます。これを利用して、彼らは短期的に大きな値幅を取りにいこうとするのです。

南アフリカランドが早朝に10%ほど暴落した時は、ヘッジファンドによる仕掛け売りがあったと言われています。また、米ドル円が史上最安値(76.25円)を記録した時もオセアニア市場でした。月曜日のオセアニア市場は、流動性が低いためにしばしば相場が行き過ぎる傾向にあると覚えておきましょう。そのため、「窓埋めトレード」が機能しやすいのです。

※強制ロスカットとは、証拠金に対して資金の損失がマイナスにならないように、自動的に決済が行われる仕組み

米ドル円1時間足チャート

出典:ひまわり証券取引ツール

オセアニア市場は時に大きな値動きが発生し、大きな利益を得る機会がありますが、スプレッドが広がりやすく、「スリッページ(※)」も発生しやすくなります。
ハイリスク・ハイリターンの相場展開が発生しやすいため、初心者の方は積極的に取引を行わなくても良いと思います。

※スリッページとは、注文時に自分が指定した価格と、実際に約定された価格に生じる差額のこと

アジア市場

標準時…日本時間8時から16時

アジア市場の主要都市は、東京、香港、シンガポールです。午前8時過ぎから東京のディーラーが参入してくると、為替の取引高が上昇しスプレッドも安定してきます。そして、東京株式市場の開始時間には一気に取引高が上がり、その時間の前後でオセアニア市場の逆の動きになることがあります。アジア市場で注意しておきたいのが午前9時55分の東京仲値です。仲値(なかね)とは、日本の輸出入業者が利用するその日の基準となる為替レートのことです。

日本の輸入企業は取引先への支払いを米ドル建てで決済する場合が多く、決済日(5や10の付く日、いわゆるゴトー日)に日本円を米ドルに両替します。そのためゴトー日になると、顧客からの米ドル需要が高くなるために金融機関の保有するドルが不足しやすくなります。これを『仲値不足』と言います。金融機関は仲値での米ドル不足解消のために、外国為替市場を通じて米ドルを購入する行動に出ます。このことにより米ドル円は上昇することとなるのです。

また、長期的に見ると米ドル円は円高方向に推移しています。そのリスクヘッジとして輸出企業は事前に金融機関に為替予約を行う企業が多いようです。

為替予約とは、外国為替の受け渡しレートを一定期間あらかじめ設定することを言います。こういった要望が入ると、大きな量の米ドルが必要となるため、金融機関は市場で米ドルを調達しなければならなくなります。こういったことが多いので、仲値前には米ドルが不足することが多いといわれています。

仲値が終わった後は比較的穏やかな値動きが続きますが、10時15分には人民元の基準レート(1日あたり上下2%の許容変動幅の中心価格、中間値)の発表があります。

稀にこの時に前日の基準値から1%以上の変動(主に現安方向)が発表されると、市場が中国当局の動きを警戒し日経平均、米ドル円が急落することがありますので、注意が必要です。

また、円安トレンドが鮮明になっている時や、大規模な海外M&Aが行われており大量の外貨需要が発生している時は、仲値後でも大きく円安が進行しやすくなります。

午後は穏やかな値動きが続きやすく、午前中のトレンドに乗ったトレーダーの利益確定も行われやすくなります。また、月末には大手輸出企業の米ドル売りオーダーが観測され、上値が重くなる(価格が上昇しづらくなる/相場が頭打ちになりやすくなる)ケースもあります。

米ドル円5分足チャート

出典:ひまわり証券取引ツール

アジア市場は8時30分頃から仲値前後の1時間が勝負の時間帯といえます。ここでの取引量が圧倒的に多く、値動きも大きいためです。あとの時間は、オーストラリア経済指標や日銀の金融政策の発表がある日は大きく動きますが、基本的には穏やかに動くと考えて良いでしょう。

会社員をしている投資家でも、出社前にデイトレードのチャンスがありますので、値動きのクセを掴みたいですね。

ヨーロッパ市場

標準時…日本時間14時から翌日1時30分
夏時間…日本時間15時から翌日2時30分

ヨーロッパ市場の主要都市は、フランクフルトとロンドンです。この時間には主要都市の株式市場の開始時間とともにユーロや英ポンドなどのヨーロッパの通貨が一気に動きやすい傾向にあります。

ヨーロッパ市場はオセアニア・アジア市場よりも参加者が多く、取引量が増加するため、為替の値動きも大きくなります。ヨーロッパ市場のディーラーはアジア市場でできたポジションの損切りをさせようと仕掛けるといわれていますので、そういった場合は午前中とは逆の値動きをしやすくなります。

長年、筆者がヨーロッパ市場を見ている限り、16時~17時過ぎから相場が急落した時の値動きは激しいですが、19時頃を過ぎると値動きが穏やかになり下落幅の3分の1ほどを戻す傾向にあります。

この値動きを見ると、彼らは一気に仕掛けた後は直ぐに手仕舞いを行うと考えて良さそうです。また、ヨーロッパ市場が開始してからヨーロッパ通貨が上昇傾向にある時は、さほどトレンド崩れることなく21時頃まで推移しやすいように思えます。

ユーロ円5分足チャート

出典:ひまわり証券取引ツール

ヨーロッパ市場は、16時~19時が荒い値動きになると覚えておきましょう。会社員トレーダーにとっては帰宅時間と重なることもあり、この時間に取引機会を見出す人も多いそうです。

東京の午前中と同じく、株式市場の開始時間前後に一気に値動きが出て、その後は穏やかになることが多いことから、トレンドが出た時はいかに早く乗るかが勝負となります。

ただし、取引開始直後は「騙し(※)」も多いので値動きに飛びつく際にはポジション量を小さくするなどリスクコントロールを行うことが重要です。
※テクニカル分析の売買サインの逆方向に動くこと。

 

ニューヨーク市場

標準時…日本時間23時から翌日8時
夏時間…日本時間22時から翌日7時

米国の投資家が本格的に参入してくるのがNY市場です。とくに22時~翌日2時はヨーロッパ市場の取引時間と重なるために、1日の中で為替の取引高が一番活発になる時間帯となります。

また、21時~1時の間には米国の経済指標が発表されますし、各国の要人発言も多く出るために、短時間での急騰・急落が発生しやすくなります。

とくに毎月第一金曜日に発表される米国雇用統計は、世界中のFXトレーダーが注目している指標です。世界最大の経済を誇る米国の雇用情勢は、世界経済に大きな影響を与え、今後の米国の金融政策を予想する上で重要な指標でもあります。この指標が良い時は世界経済が好調で、悪い時は悪化すると考えても良いくらいです。

・NYオプションカット

24時(夏時間は23時)に「通貨オプション」の権利行使の最終締切り時間があります。通貨オプションとは、あらかじめ定められた期間に、定められた価格で特定の通貨を買う権利、または売る権利を売買する取引のことです。オプションに絡む為替の売買が行われるため、NYオプションカットの時間に向けて、設定された価格に近づく傾向があります。

FX会社のニュースでは、以下のように表示されています。

112.00円 OPバリア
110.60円 OP15日NYカット
110.50円 売り 本邦勢、OP15日NYカット大きめ
100.00円 OP15日NYカット

この場合、値動きに一番影響するのが110.50円のオプションになります。この時に1500本(1本=1億ドル)のオプションが残っているという具体的な本数が分かる時もあります。だいたい1000本以上のオプションがあると値動きに影響すると考えられます。

また、OPバリアとはこの価格を付けると、オプションの買い手が損失となるために、防戦売りをしているということです。そのために、112円に近づくと売りが出やすくなります。

この時間を過ぎると、NYオプションの影響が無くなるために高値を更新してくるといったことが起きやすくなります。初心者の方にオプションの話は少し難しいかと思いますが、「大きいオプションの価格に近づきやすくなる傾向にある」と覚えておいてください。デイトレードの役に立つこと間違いありません。

・ロンドンフィックス

NY市場で重要なイベントとして、午前1時(夏時間は午前0時)のロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)があります。ロンドンフィックスとは、東京時間の仲値に相当するヨーロッパの基準レートを決める時間です。

東京の仲値では米ドル円が動くことに対して、ユーロ米ドルとユーロ英ポンドが主役となります。とくに月末はこの2つの通貨ペアが大きく動きやすく、断続的に上昇したり、突然、大口の売買が入ったりするため、非常に注意が必要です。また、ほぼ毎月のように「今月末のロンドンフィックスはユーロ買いだ」というような噂がマーケットに流れますので、チェックしておいて損はないでしょう。ただし、真逆に動くことも珍しくありませんので、的中率は五分五分といったところでしょうか。

・ユーロ米ドル5分足チャート

出典:ひまわり証券取引ツール

午前2時を過ぎるとヨーロッパのトレーダーがいなくなりますので、値動きが穏やかになってきます。ただし、金曜日の明け方は週が終わる前にポジションを閉じる動きが発生するために、思わぬ値動きが起きやすくなります。

NY市場は世界中のトレーダーが参入している激戦市場です。加えて、米国の経済指標や金融政策の発表や各国の要人発言などで乱高下する要因が多数あります。

アジア市場、ヨーロッパ市場のトレンドを無視した値動きも発生しやすいですし、急騰・急落が一番起きやすく予測のしづらい非常に難しい市場といえます。ただ、影響力の高い米国の経済指標発表を受けて、直近の高値・安値を更新することも多いために、新たなトレンドに乗ることのできる市場ともいえます。

まとめ

これまでに書いた「為替市場の1日の主なタイムスケジュール」を振り返ってみましょう。

為替市場の1日のタイムスケジュール(標準時間)

午前6時:オセアニア市場スタート
午前8時:アジア市場スタート
午前9時:東京株式市場開始
午前9時55分:東京仲値
午前10時15分:中国人民元基準レート発表
午後16時:ヨーロッパのトレーダーが本格参入
午後17時:フランクフルト株式市場スタート
午後17時30分:ロンドン株式市場スタート
午後21時:米国のトレーダーが本格参入
午後23時30分:NY株式市場スタート
午前0時:NYオプションカット
午前1時:ロンドンフィックス
午後6時:NY市場クローズ

為替市場は唐突に値動きが発生することがありますが、日々の経済指標発表と共にこれらのタイムスケジュールを押さえておきましょう。そして、この時間帯前後のポジションの保有や注文の変更などを行うことで、リスクを減らすことができます。

ちなみに、筆者の友人の多くはヨーロッパ時間の取引が得意ですので、もしかすると日本人に合っている市場なのかもしれません。

初心者の方はデモトレードや少額資金でトレードをやってみて、自分に合った市場を見つけることでよりFXで利益を上げていきやすくなります。24時間為替市場に張り付くことなく、得意な市場でのみトレードをすることをオススメします。

ライタープロフィール
児山 将(こやま しょう)

2009年大学4年時にFX取引を始め、ビギナーズラック後にお約束のように強制ロスカット。飲食店勤務を経て、大手金融メディアでライター兼サイト制作を行う。ファンダメンタルズ分析を基本とし、株式、CFD、仮想通貨など多数の金融商品で短~中期取引を行い、毎月給料を超える収益を得る。

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