レバレッジの意味や仕組みとは? 規制でどうなる?

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こんにちは。「ロンドンFX」ブログを運営している松崎美子です。2017年9月末、外国為替に従事している者にとって驚くべきニュースが流れました。それは、「店頭FX会社のレバレッジを引き下げる可能性」に関する報道です。少ない資金で効率よく投資できることがFXの魅力ですが、その根本的な部分が崩れるかもしれません。最近のFXマーケットは、この話題一色と言っても過言ではありません。

今回のコラムでは、「レバレッジの意味や仕組み」、「レバレッジが引き下げられると、個人投資家にどのような変化や注意点が出てくるのか」を考えてみましょう。

レバレッジの意味や仕組みとは?

レバレッジとは、英語でleverageと書きます。その語源は、「lever(てこ)」 であり、「てこの原理」とも言えるでしょう。レバレッジがあるため、FXでは手持ちの資金より大きい取引を行うことができます。

ここではわかりやすく、1ドル=100円の場合で説明します。FX取引口座を開設し、10万円の証拠金でスタートした場合、レバレッジなし(1倍)での取引可能額は10万円。ドル買い/円売りを100円で実行した場合、1,000ドルのドルを買ったことになります。

もし、レバレッジを10倍かけた場合、取引可能額は10万円X10倍=100万円となるので、10,000ドル買えます。

同様に、レバレッジ100倍であれば、手元の10万円で100,000ドルのドルを買うことになります。このように、レバレッジが大きくなればなるほど、手持ち資金を大きくしての取引が可能となります。

レバレッジ規制の変化

手持ちの資金以上の取引を可能にする、レバレッジ。日本では1998年外為法の改正に伴い為替取引が完全に自由化され、個人のFX売買が解禁されて以来、レバレッジは以下のように変化してきました。

1998年スタート当時はレバレッジの制限がなかったため、400倍や500倍といった取引もされたのですが、2010年以降どんどん縮小されています。「個人投資家と金融機関の保護」が理由として挙げられ、2017年9月27日の日経新聞では以下のような説明がなされていました。

金融庁は外国為替証拠金取引(FX)の証拠金倍率(レバレッジ)を引き下げる検討に入った。現行の最大25倍から10倍程度に下げる案が有力だ。外国為替相場が急変動した際、個人投資家や金融機関が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると判断した。国内の取引高は約5千兆円に上る一方、FX業者への規制は銀行などに比べ緩い面がある。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21595840X20C17A9I00000/

実際にFXに従事している者として意見すると、「損切りや利食いなどの資金管理を徹底しなければ生き残れないことは、皆十分に承知して覚悟を決めてやっているはず」ということです。もし今後レバレッジが10倍になれば、ユーザーが他の投資や海外の店頭FX会社へ流れる可能性があります。つまり、日本の店頭FX会社の存続リスクへと繋がる恐れがあり、レバレッジ縮小に動かなければならない動機や根拠が不十分に感じました。

レバレッジと証拠金との関係

実際のFX取引量に対する必要な証拠金額は、レバレッジにより大きく違ってきます。1ドル=100円の場合で計算してみます。

100万円の取引を前提とした必要な証拠金額は、レバレッジが大きくなればなるほど少なくて済みます。つまり、もし今後レバレッジが最大10倍まで縮小された場合は、25倍の時より多くの証拠金が必要になります。

レバレッジと損切りとの関係

FX取引をする上で絶対に躊躇していけないことは、「損切り」です。損切りが出来ない人は、ビギナーズラックが終わって負けが続いた場合、証拠金をすべて失って退場ということになりかねません。

「レバレッジが変わると、損切りレベルも変わる」ということを、しっかりと理解しておきましょう。

ここでは、説明をわかりやすくするために、1ドル=100円で売買した際の損失許容範囲を口座残高の1~2%に押さえるという前提で、具体的なお話をします。まず、損切りレベルの計算式は以下のとおりです。

計算式を使った具体的な損切り幅を、レバレッジごとに表示しました。ここでは、1ドル=100円でドルを買った/売ったという前提で損切り幅を計算し、1%と2%それぞれの損切りレベルを表示しました。

このようにレバレッジが高くなればなるほど、損切りレベルがどんどん狭くなります。一攫千金を夢見て、大きなレバレッジをかけて、損切りを遠くに置くような取引を続けていくと、9回勝っても、最後の1回で「口座を溶かすリスク(FX口座の資金を減らすこと)」もありますので、欲をかくのはほどほどにしたいですね。

レバレッジ規制と私の方針

実は、このレバレッジ規制は日本だけではなく、私が住むヨーロッパでも実施される可能性が出てきました。欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority ESMA)からの通達によると、個人投資家に対するレバレッジ規制が2018年内にも始まるようですが、通貨によりレバレッジやマージン比率が区別されているのが、日本との大きな違いです。

日本の個人投資家さんから、レバレッジ規制後もFXを続けるか?そういう質問を受けますが、私は「もちろん続けます。どうして、辞めるなんて考えなければいけないのですか?」 とお答えしています。

レバレッジが縮小すれば、より多額の証拠金が必要となります。しかし、私にとってFXはライフワークのひとつであり、手元資金の大小に左右されるような位置づけではないこと。そして、FXで一攫千金を狙っている訳でもなく、80歳になっても90歳になっても社会との繋がりを絶たない手段のひとつとして、常にマーケットを追っていこうと考えています。

ライタープロフィール
松崎美子(まつざき・よしこ)

スイス銀行東京支店でディーラーアシスタントとして入行する。その後、結婚のため渡英。1989年に英バークレイズ銀行本店ディーリングルームに勤務し、日本人初のFXオプション・セールスとなる。1997年に米投資銀行メリルリンチ・ロンドン支店でFXオプション・セールスを務め、2000年に退職、数年後より個人投資家として為替と株式指数を取引。2007年春から「ロンドンFX」ブログをスタート(http://londonfx.blog102.fc2.com/)、2012年からセミナー、コラムを通じてロンドン/欧州直送の情報を発信中。2017年よりFX情報をYoutubeでも配信開始。著書:松崎美子のロンドンFX、ずっと稼げるロンドンFX(共に、自由国民社)

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