FX初心者が失敗しないために知っておきたい、FX失敗事例と教訓

投資歴9年のライター児山です。
今回はFX初心者の方が陥りやすい失敗についてお話したいと思います。

FX(Foreign Exchange)は投資ですので、失敗はつきものです。
しかし、お金が絡む投資の世界では「分かっていてもやってしまう」ことが多数あります。筆者も数多くの失敗を何度も繰り返し、自身の資産を削りながら相場に向き合ってきました。このページを訪れた皆さんが同じ失敗をしないように、筆者や知人友人に実際にあったFX投資の失敗談をお話したいと思います。

1.ビギナーズラックで大儲けした大学生の末路

まずは、筆者が大学生の時にFXを始めた時の話をしましょう。
キッカケは就職活動でした。何となく証券会社に興味があった筆者は、この機会に投資を始めてみようと本屋に行き、投資に関する雑誌を購入しました。
投資といえば株式投資と思っていたのですが、雑誌に書かれている有望銘柄を購入するには50万円以上も必要で、大学生の筆者には手が出ない額です。その時に10万円以下で投資を始められるFXを知り、早速口座開設。10万円を入金し取引を開始しました。

当時は2009年4月、リーマンショックの余波から米ドル/円はジワジワと円高が進み100円を割り込もうとしていました。
「1ドル100円は安い。ここは買い場だ!」そう思った筆者は1万ドルの買いを行いました。そして翌日、目を覚ますと1,600円の利益が出ていたのです。
当時アルバイトしていた居酒屋での時給が900円だったのですが、寝ているだけで1時間分以上の時給が転がり込んできたことに大興奮したことを覚えています。

「リーマンショックから半年以上経つし、今のうちに買っておかないとどんどん上昇してしまう。」

そう思った筆者は、FX口座に追加入金を行い30万円ほどの資金を使って、米ドル/円、オーストラリアドル/円、ニュージーランド/円を買いました。
しかし、買った直後から価格は下がり続け暴落状態に。その日のうちに、強制ロスカット(※)が発動する事態となり、口座資金の半分以上がなくなってしまいました。

※預け入れをしている証拠金に対して、損失が大きくなり強制的に損失を確定させられること。

後から分かったことですが、その当時の米ドル円は円高ドル安になる金融政策が行われており、基本的に円高トレンドになっていました。もし、筆者がニュースやアナリストのレポートをきちんと読んでいれば大きな損失を被ることはなかったかもしれません。

また、同時に買ったオーストラリアドル/円とニュージーランド/円は、明らかに上昇トレンドでした。そして、大学生当時に筆者が損切りとなった価格を、8年経過した2018年時点で未だに下回っていません。つまり、少額の購入であれば大きな利益となるところを、口座資金に対して大きな金額で買い過ぎたために少し逆に動いてしまっただけで損失となってしまったのです。
この経験は、本当に惜しいチャンスを逃してしまったと、未だに後悔している取引のひとつです。

しかし、当時アルバイトでの貯蓄がそれなりにあった筆者は、口座に追加入金を行い、さらに買いを続けるという行為に出ました。思惑は的中し、ドル円以外は上昇トレンドだったために、1ヶ月で30万円ほどの利益を出すことに成功したのです。

これに気分を良くした筆者は、さらに大きな勝負に出ました。さて、結果はもうお分かりですよね(笑)何も分からない素人が大勝負に出たところで、何度も勝てるはずがありません。その数日後には50万円以上の損失を出し、これまでの利益を全て吹き飛ばしてしまったのです。

FXの口座に原資として70万円ほど入金し、最初は損失を出しながらも取り返し、ピーク時の口座は80万円以上あったと思います。しかし、最終的には損失を繰り返してしまい、筆者の口座は10万円以下となってしまいました。

初心者がいきなり大儲けすると、才能があると勘違いしがちです。しかし、相場を知らない初心者は利益が出た理由もハッキリと分かりません。そんな人が何回も勝ち続けることは困難です。

なので、投資を始めた人で大儲けした人に会うと、必ず利益分を出金するように話しています。でも、ほとんどの場合「出金すれば今後の利益が減るから。」と断られ、少し経った後に「やっぱり出金しておけば良かった」と返ってくるのです。
やっぱりそうなってしまったか!と思いつつ、みんな同じ道を通ってから気づくものですね。

★学ぶべき教訓
・ 初心者の場合、売買の判断は自分でせずに著名な投資家やレポートなどを参考にしよう
・ 大きな利益を出そうと無茶をせず、デモトレードや少額で売買をしよう
・ 初心者は、なぜ利益が出たのか分からないことがほとんど。利益が出たら、まずは出金を!

2.損切りをしなくても勝ち続けた美容師Fさん

筆者のトレーダー仲間には様々な職業の人がいます。女性投資家のFさんは、アメリカのマンハッタンで美容師として活躍していたり、ネットショップで女性の服を販売するなど、多彩な才能を持っていました。
そんな彼女は、2012年からFXを開始。アベノミクス相場の上昇トレンドに乗って順調に利益を積み重ねていきました。海外生活が長かった彼女は外貨預金の経験も長く、FXでも順調に利益を出せると思い込みました。

売買戦略は単純で、基本的に相場が下がれば買い。売りは行わずに、損切りもしません。買った後に価格が多少下がったとしても、買い増しを行えば相場はいずれ元に戻ります。そんなわけで、利益も順調に増えていき、数百万円を越える利益が出ていました。

ある日の金曜日、彼女はそれなりに大きな買いポジションを保有していました。そこに米国雇用統計(※)という経済指標の発表があり、急落がやってきました。
※毎月第一金曜日の夜にアメリカの雇用情勢の発表が行われる

損失はどんどん膨らんでいきます。これはまずい……と思いながらも、基本的に相場は上昇トレンドです。
「ここで買って反転すれば大きく儲かるかもしれない。」
そう思った彼女は、さらに買い増しを進めます。しかし、相場は反転せずに、虚しくも下がる一方。最終的に、たった数時間で半年以上かけて積み上げてきた利益を全て吹き飛ばすほどの損失を出してしまいました。

買いしか行わない人に多い失敗ですが、これ以上損したくないと思うほどの損失が出た時点で、一度仕切り直すことが大切です。また、「これ以上下がったら嫌だな」と思う価格に損切り注文を必ず入れるようにしましょう。
多くの場合、そういった価格を下回ると、相場は加速度的に下落するものです。

★学ぶべき教訓
・ 自身の損失許容範囲を知り、損切り注文を入れる
・ 損失で苦しい状態で保有ポジションを大きくしない

3.負けていたのは実は〇〇が原因だった!専業トレーダーになったKさん


今度は専業トレーダーで、今では数億円の資産を持つ友人の話をしましょう。
彼は大学生の時から株式投資を始め、社会人になって仕事中場中に株の取引時間に株価が見られなくなったのを機に、仕事終わりの時間帯から投資をできるFXを始めました。今では億トレ(億円単位を稼ぎ出すトレーダー)となっている彼も、最初の1年で給料2ヶ月分を損するという茨の道を辿りました。その後、本屋で数十冊の本を買ってきたり、著名な個人投資家のブログを読んだりしながら、知識を深めます。
そんなある時でした。ある時、彼は自身の損失と向き合うために売買履歴を確認します。すると、損失額がスプレッド(※)だけだという事実に気が付いたのです。
※買値と売値の差

つまり、彼は取引ではプラスになっているものの、手数料でマイナスになっていたのです。
それまで、感情的に見たくもなかった売買履歴を見たことで、損失の理由がハッキリしました。その日から、彼は無駄に取引を行うことを止め、取引回数を絞ることにしました。そして、3ヶ月後についに利益が出るようになったのです。

今ではセミナーに登壇することもあるKさんですが、この経験はとても役に立ったとしばしば話しています。

★学ぶべき教訓
・ 売買履歴を確認し、負けている理由をハッキリさせる
・ 取引をすればするほど利益が出るわけではない。投資でも無駄を省くことが大切

4.テクニカル分析のみで取引していた専業トレーダーTさん

最後にもうひとりの専業トレーダーの例を挙げましょう。
彼は値動きのみで売買の判断をする、典型的なテクニカルトレーダーでした。チャートには様々なテクニカル指標(※1)を表示し、経済指標や金融政策の内容は全く気にしません。「ファンダメンタルズ分析(※2)って役に立つんですか?」というのが彼の口癖でした。そんなことをしなくても利益を出せていたのです。

※1テクニカル指標:価格や取引データからトレンドや相場の過熱感を指標化したもの
※2ファンダメンタルズ分析:国や企業などの経済状態などを表す指標のこと。雇用情勢やGDP、物価上昇率などから分析する。

さて、2016年末のトランプ相場でドル円は102円から118円まで大きく上昇しました。彼もさぞかし利益が出たのではないかと聞いてみると、上昇トレンドにほとんど乗れなかったとのこと。
理由を聞いてみると、値動きが激しかったトランプ相場では、彼のテクニカル分析では全く対応できなかったようです。また、彼はニュースやアナリストレポートなどをさっぱり見なかったために、トランプ大統領が誕生すればどういったことが起こるのかが分からなかったそうです。数年に1度の大相場だったにもかかわらず利益を上げられなかったことを反省し、その後ファンダメンタルズ分析の勉強も始めたそうです。

投資信託やヘッジファンドなどの資産運用機関も、多くの場合はファンダメンタルズを元に運用方針を立てていますので、投資を行う上うえでファンダメンタルズ分析は避けて通れないといえます。

一方で売買を行う際には、適切な売買ポイントを定めるためにテクニカル分析が必要となります。

つまり、投資でより大きな利益を上げるためには「ファンダメンタルズ」、「テクニカル」両方の分析が大切といえるでしょう。
特に初心者の場合は、経済や金融政策はなんだか難しそう……と敬遠しがちですが、少し知っているだけでも大きな違いが生まれます。
経済指標や金融政策、選挙情勢など、まずはテレビのニュースを見たり、FX会社のレポートを読むところから始めてみましょう!

★学ぶべき教訓
・ 相場の根幹は、経済の基礎となる景気や物価、金融政策。投資を行う上うえで避けては通れない一方、正しく学べば大きな利益を得ることができる可能性も!

まとめ

今回は、筆者の知人投資家の失敗談をお話させていただきました。失敗を無くすことは難しいですが、初心者の時にやってしまった失敗と向き合ったおかげで、今では安定して利益を出せるようになっています。

思い返せば、筆者が安定して利益を出せるようになった最初の一歩は、「取引量が多過ぎてスプレッドで負けていた」ことと「ポジションを持ったまま寝てしまった」ことの2つの敗因が分かったことでした。

その他、筆者が初心者の時にやってしまった失敗には、以下があります。
• 売りと買いを間違える
• 取引枚数を間違える
• 通貨ペアを間違える
• 損切りをしないいけないと分かっているのに、入金を行い耐えてしまう
• ひたすら難平(※)を繰り返してしまう
※損失が出ているポジションに買い増し、または売り増しを行うことで平均取得単価を有利にすること。

勉強不足、経験不足によって利益が出ないこともありますが、ちょっとしたミスをしないように注意すれば良い結果につながる場合も、意外と多いものです。

筆者がFXを始めた2009年には、書籍もブログもあまり多くありませんでしたが、今では成功するための様々な知識やテクニック、心構えなどがネット上に溢れています。

今からFXに挑戦する人は、先人たちの失敗を糧にFXの成功への道のりをショートカットしてもらえれば幸いです。
これを読んでくれた方が、筆者が失敗して苦しんだ経験をしないことを切に願います。

ライタープロフィール
児山 将(こやま しょう)

2009年大学4年時にFX取引を始め、ビギナーズラック後にお約束のように強制ロスカット。飲食店勤務を経て、金融大手メディアでライター兼サイト制作を行う。ファンダメンタルズ分析を基本とし、株式、CFD、仮想通貨など多数の金融商品で短~中期取引を行い、毎月給料を超える収益を得る。

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