未来の入金額を確定させる! 経営者も活用している「為替予約」とは!?

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未来の入金額を確定させる!

経営者も活用している「為替予約」とは!?

| 為替リスクを回避するのに重要な「為替予約」

為替取引に為替リスクはつきものですが、そのリスクを軽減させる方法があります。「為替予約」がそれです。

その名の通り、為替予約は将来、為替取引を行う際のレートを、事前に取り決めておく取引のことです。たとえば、1ドル=112円で10万ドルを持っているとしましょう。3カ月後、このドルを円に交換する必要があるとしても、3か月後のドル円がいくらになっているかは、誰にも分かりません。1ドル=115円だったら3円の為替差益が得られますが、110円だったら2円の為替差損を被ってしまいます。

特に海外との貿易取引を行っている企業にとって、為替の差損益は、業績に直接影響を及ぼします。

たとえばトヨタ自動車は、1ドルにつき1円、円高が進むと、営業利益は400億円も減ると言われています。

その他の企業でも、1円の円高が営業利益に及ぼす影響は甚大です。一例を挙げると、以下のようになります。

日産自動車・・・・・・▲140億円
本田技研・・・・・・▲120億円
日立製作所・・・・・・▲30億円
コマツ・・・・・・▲25億円
三菱電機・・・・・・▲20億円

当然、輸出比率が高い企業ほど、円高が進んだ時、業績が悪化する度合いがひどくなります。円高が進むと、輸出企業を中心にして株式が売られるのは、こういう理由があるからです。

一方、企業も手をこまぬいて何もしていないわけではありません。為替リスクを少しでも軽減させるため、さまざまなリスクヘッジ手段を講じています。そのひとつが為替予約です。

 

| 為替予約の注意点

為替予約は、たとえば1ドル=112円で10万ドルの売上が3か月後に入ってくる場合、3か月後に1ドル=112円で、ドルを円に替えるという予約を行うことです。為替予約を事前に取り交わしておけば、3か月後に1ドル=100円になっていたとしても、1ドル=112円で換算し、1,120万円(112円×10万ドル)を受け取ることが出来ます。

【3ヶ月後に受け取る10万ドルを為替予約でリスクヘッジ】

ただし注意点があります。為替予約を取り交わす場合、売る通貨と買う通貨との間の金利差が、予約する際の為替レートに反映されるのです。

たとえば、日本の短期金利が0%、米国の短期金利が1.2%の場合、金利差は1.2%になりますが、この状態でドルの売り予約をすると、年間で1.2%に相当する分だけ、ディスカウントといってドルの予約レートがドル安水準にセットされるのです。

たとえば、12月20日の対顧客電信売相場は、1ドル=113円97銭でした。これに対して、ドルの売り予約を行う際のドル円レートは、以下のようになります。

12月渡・・・・・・113円97銭
1月渡・・・・・・113円85銭
2月渡・・・・・・113円65銭
3月渡・・・・・・113円50銭
4月渡・・・・・・113円32銭
5月渡・・・・・・113円12銭

【時間の経過と共に金利差分がコストに】

上記の予約レートを見れば分かるように、12月渡よりも5月渡の方が、金利差分だけドル安水準になっています。このように、金利の高い通貨の売り予約を行う際は、受渡の期間が先になるほど、金利差分だけ損をすることになる点に留意しておく必要があります。

よく外貨預金などで為替予約付きというものがあります。表面の利率は円預金よりも高いとしても、実際に為替予約を行って為替リスクをヘッジすると、この金利差分だけ満期時の予約レートがドル安水準になるため、最終的な手取りの収益率は、円預金で運用したのと同じになります。

【まとめ】

上述したとおり、為替予約は、受渡の期間が先になるほど、金利差分だけ損をする可能性がありますが、その点にだけ留意して活用すれば、未来の為替レートがどのようになったとしても、あらかじめ確定したレートで交換できる為、安心できるといった精神的なメリットもあります。「この水準の為替レートで固定できるなら満足!」と思えるときは、その水準でレートを確定させてしまったほうが、損失リスクをその時点で限定できるメリットもありますので、上手に活用していきましょう。

 

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