貿易収支を指標にすれば「実需で儲ける手法」が見つかる?

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貿易収支を指標にすれば「実需で儲ける手法」が見つかる?

 

| 東京外国為替市場における取引のうち、貿易取引が占める割合は?

外国為替市場は「投機筋」によって支配されていると言われています

「投機筋」とは?

市場において「短期的」な売買によって、利益を得ることを目的とした投資家の総称。「短期筋」とも呼ばれる。

 

確かに、数字を比較するとそう見えないこともありません。日本の輸出額は、2016年度の数字だと71兆5000億円。輸入額は67兆5000億円で、合計139兆円が実際の輸出入に関わる金額です。1ドル=100円で計算すると、輸出額が7150億ドルで、輸入額が6750億ドルの合計1兆3900億ドルが、年間の貿易取引額になります。これを1年=260営業日で割ると、1日あたりの貿易取引額は53億4615万ドルです。

では、東京外国為替市場の1営業日あたりの取引量はいくらかというと、2016年中のドル円で645億8700万ドルです。つまり、1営業日の東京外国為替市場における取引のうち、貿易取引が占める割合は8.27%です。貿易取引に絡む外国為替取引は実需であり、それ以外は投機だと考えると、実需は1割にも満たず、その他は投機ということになります。つまり、外国為替取引の大半は投機であるというのは、この数字が根拠になっているのです。

 

| 実はかなり大きい、貿易取引が為替相場に及ぼす影響力

この東京外国為替市場における取引を細かく見ると、「スポット」と「スワップ」に分かれています。2016年中のドル円で、1営業日あたりのスポット取引が92億7000万ドルで、スワップ取引が553億1700万ドルになります。このうちスワップ取引は、たとえば今、100万ドルを買うのと同時に、一定期間後に100万ドルを売るという取引を同時に行うものなので、為替市場の総需給には大きく影響しないと考えます。結果、為替市場に直接影響を及ぼすのは、スポット取引のみと考えることが出来ます。すると、1営業日あたりのスポット取引は92億7000万ドルで、このうち1日あたりの貿易取引額が53億4615万ドルになりますから、貿易取引が為替相場に及ぼす影響は、実はかなり大きいのではないかと推察されます

【スワップ取引とスポット取引の為替市場への影響度】

【スポット取引における貿易取引額の割合】

米国は慢性的な貿易赤字状態からの脱却を目指し、トランプ大統領は中国や日本に圧力をかけています。これにより、米国の貿易赤字が本格的に減少すれば、外国為替市場では需給面で、米ドルの売り圧力が徐々に後退していくでしょう。もし黒字転換するようなことがあれば、米ドルが積極的に買われるケースも考えられます。

【米国の貿易収支とドルの需要】

いずれにしても、貿易収支の赤字額減少や黒字転換は、構造的な需給要因に影響を及ぼしますので、今後もその傾向には要注意なのです。

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