アナタはどっち?「慎重」なハト派と、「強気」なタカ派

アナタはどっち?「慎重」なハト派と、「強気」なタカ派

 

| 政治では「穏健派」のハト派、「強硬派」のタカ派

ハト派とタカ派は、もともと政治用語です。

ハトと言えば平和の象徴。それが転じて、政治的には「穏健派」であり、紛争の解決に際して武力を行使することには否定的なスタンスを取ります

これに対してタカ派は、「強硬派」のことであり、紛争などの解決に際して武力行使も辞さず、というスタンスです。

ところが最近では、政治用語であるハト派とタカ派の使い分けが、金融政策のスタンスの違いにも用いられるようになりました。

 

| 「慎重」なハト派と、「強気」なタカ派

金融政策におけるハト派とは、経済の見通しを「慎重」なスタンスで捉えている人たちのことです。経済の先行きに対して慎重だからこそ、金融政策のスタンスには「緩和」のバイアスがかかります。

これに対してタカ派は、経済の見通しを「強気」なスタンスで捉えている人たちのことです。経済は強い、これからさらに強くなるという認識を持っているため、金融政策のスタンスには「引締め」のバイアスがかかります。

誰はハト派で、誰がタカ派か、という議論が出てくるのは、それだけ現時点における景気の見通しが分かれている証拠とみて良いでしょう。仮に、今の景気がリーマンショック直後のように、ただひたすら悪化の一途をたどっている時には、ハト派もタカ派もありません。それは、逆に景気がどんどん好転している時も同じです。ハト派、タカ派の論議が出てくるのは、経済の見通しが分かれる局面です。

なぜ今、米国でハト派、タカ派の議論がされるのかというと、米国経済の先行きに対する見方が二分しているからでしょう。企業の景況感を示すISM指数は、製造業、非製造業ともに好不況の分岐点となる50を超えており、2017年4-6月期の実質GDP成長率は、個人消費の伸びもあり、前期比年率で2.6%に加速しました。これらの数字を見れば、米国景気は着実に、堅実に良くなっており、金融政策としては徐々に引締めを進めるべきだという考え方になります。

しかし、一方で米国経済の先行きについては、手放しでは喜べない面もあります。たとえば、8月11日に発表された米国の7月の消費者物価指数は、前年同月比で1.7%の上昇となりましたが、この数字は、2017年2月の2.7%をピークに、6月まで4カ月連続で低下しました。また7月の数字は、6月に比べれば0.1%上昇したものの、市場予想を下回りました。米国の物価上昇圧力は徐々に後退しており、米国政府が掲げている物価目標値の2.0%には届いていません。株価も、NYダウが8月7日に2万2118ドルの過去最高値を付けた後、8月24日は2万1783ドルまで下がっています。政治の足元も不安定であり、性急な利上げは危ないというハト派の意見も、もっとものように聞こえます。

【2017年FOMCメンバーの金融政策スタンス】

FOMCのメンバーで例えるなら、常に投票権を持っているイエレンFRB議長と、タルーロFRB理事、プレイナードFRB理事、パウエルFRB理事、ダドリーNY連銀総裁はハト派であり、フィッシャーFRB副議長とパウエルFRB理事は中立。2017年投票メンバーの中では、ハーカーFRB理事のみがタカ派であり、エバンス・シカゴ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁はハト派。カプラン・ダラス連銀総裁が中立といったところでしょうか。人数的に、2017年のFOMCメンバーはハト派が優位と見ることも出来ますので、利上げには慎重であり、よってドルは金利面で買われにくいと考えられます。

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