訪日外国人が過去最高に!今後の為替への影響は?

訪日外国人が過去最高に!今後の為替への影響は?

 

| 2017年7月過去最高になった訪日外国人

日本政府観光局が発表している訪日外客数によると、7月の月間訪日外客数が過去最高を更新しました。実数は268万1500人で、前年同月比は16.8%の増加です。

ちなみに国別で見ると、トップスリーは中国が1位で78万800人。次いで韓国が64万4000人、台湾が44万6600人となっています。

【2017年7月の訪日外国人数と内訳】

対して欧米は意外と少なく、米国が12万9400人、イギリスが2万6300人、フランスが2万9100人、ドイツが1万5500人、イタリアが1万900人です。ちなみに、人数そのものは6300人と、他の欧州諸国に比べて少ないロシアですが、今年3月以降、前年同月比の伸び率を見ると、3月が44%、4月が66.6%、5月が43.2%、6月が58%、7月が34%と急上昇しています。これは、今年に入ってから、ロシア国民に対する日本側のビザ発給要件が緩和されたからと思われます。

【ロシア人の訪日数の前年同月比データ】

| 為替への影響は?

さて、訪日外国人の数が増えると、FXの投資家にとっては、為替レートへの影響が気になるところでしょう。基本的には、訪日外国人観光客が日本でお金を使うためには、自国通貨を円に替える必要があります。つまり、それだけ円高が進む可能性につながると考えられます。

では、訪日外国人観光客は、日本でどのくらいのお金を使っているのでしょうか。観光庁が公表している「訪日外国人消費動向調査」によると、2016年の確報値で、訪日外国人が日本国内で消費した金額は、3兆7476億円になりました。ちなみに過去の数字を見ると、次のようになります。

【訪日外国人による日本国内での消費額】

訪日外客数が過去最高を記録する一方、2016年までのデータではありますが、訪日外国人が日本国内で使ったお金の額は、頭打ちになっていることが分かります。2017年4-6月期の四半期データを見ると、消費額は1兆776億円で、前年同期比が13.0%増。2017年1-6月の上半期だと2兆456億円で、前年同期比が8.6%増というように、若干回復してはいますが、2013年から2015年にかけての大幅な伸びが再び実現するかどうかは、まだ何とも言えません。いくら訪日外国人観光客数が実数ベースで増えたとしても、日本国内で使ってくれるお金の額が伸びなければ、円を大きく押し上げるほどの圧力にはならないと思われます

それ以前にもうひとつ、観光客の消費がどこまで為替レートに影響を与えるのかにつては、検証の余地があります。というのも、国際決済銀行(BIS)の統計によると、外国為替市場における1日あたりの通貨ペア別取引高は、ドル円が9020億ドル。ユーロ円が790億ドルにも達します。ちなみにあらゆる通貨ペアの取引高は5兆880億ドルもありますから、外国為替市場全体で見ると、訪日外国人観光客が日本国内で使うお金を円に替えたところで、その影響は実需ベースで考えると、極めて小さいことになります

もちろん、観光客数が増えたというニュースに反応し、投機的なお金の流れが円買いに向えば、それなりに為替レートを動かす力になりますが、実需ベースで見れば、実はそれほど大きな力にはならないかも知れないという点は、頭の片隅に置いておくと良いかも知れません。つまり、瞬間的に動いたとしても、また元の水準に戻る可能性が高いということです。

 

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