増加傾向をたどるM&A  意外と知らない為替との関係とは?

増加傾向をたどるM&A
意外と知らない為替との関係とは?

 

東洋経済新報社が調査している「生涯給料全国トップ500社ランキング」によると、2016年11月に公表された上位5社は次のようになります。

1位  M&Aキャピタルパートナーズ  10億1399万円
2位  GCAサヴィアン  8億3610万円
3位  キーエンス  7億2959万円
4位  日本商業開発  5億7333万円
5位  ファナック  5億5528万円

サラリーマン全体の平均的な生涯賃金が2億5000万円程度であることからすれば、1位のM&Aキャピタルパートナーズの10億円超えは「スゴイ」。この高収入は、ビジネスが儲かっていることの証でもあります。

社名を見ても分かるように、M&Aキャピタルパートナーズは、M&A仲介を行っている会社です。また2位のGCAサヴィアンも同じです。今の日本では、M&Aが儲かるビジネスとして注目されています。

M&Aには、日本企業が日本企業を買収する「IN-IN」、日本企業が外国企業を買収する「IN-OUT」、そして外国企業が日本企業を買収する「OUT-IN」という3つに分かれます。実際に、件数と金額はどのようになるのでしょうか。2016年中の件数と金額は、次のようになります。

<件数>

IN-IN・・・・・・1816件
IN-OUT・・・・・・635件
OUT-IN・・・・・・201件

<金額>
IN-IN・・・・・・3兆6534億2300万円
IN-OUT・・・・・・10兆4011億7300万円
OUT-IN・・・・・・2兆5587億9700万円

IN-INは件数こそIN-OUTに比べて多いものの、金額ではIN-OUTがIN-INを大きく上回っています。これは、IN-INが国内中小企業を中心にして、経営者の高齢化による事業承継が上手くいかず、M&Aによって会社を手放すケースが増えているものの、中小企業が対象になるため、金額的にはそれほど大きくなりません。対してIN-OUTのM&Aは、件数こそ大したことはありませんが、やはりグローバルに事業を展開している大企業が中心になるせいか、金額がはるかに大きくなります

同じ「投資」でも、株式や債券などの有価証券投資は、買ったものは売ることによって利益を確定させます。有価証券投資の場合「比較的、短い時間で利益確定する投資行動を取る」投資家が多いため、日本の機関投資家が海外の株式、債券に投資したとしても、決算の時に利益を捻出する目的で利益確定の売りを出すことを考えれば、為替レートに対する影響は中立と考えられます。つまり「行って来いになる」というと、分かりやすいかもしれません。
これに対して、M&Aによる投資、あるいは海外に工場を作るといった直接投資の場合は、同じ投資でも有価証券投資のように、短時間で利益確定させたりしないため、中長期的に為替レートに強いインパクトを及ぼすことになります。

逆に、外国企業が日本企業に投資する場合は円買い圧力になりますが、2016年の数字で見ると、IN-OUTとOUT-INの差額は7兆8423億7600万円にもなり、それだけ円安圧力が強まります。

とはいえ、日本企業の外国企業買収は、為替レートが円安になると、円ベースの投資コスト負担が重くなります。したがって、1ドル=120円、130円というように円安が進めば、徐々にIN-OUTのM&Aは減少傾向をたどり、為替レートに及ぼす影響が後退していきます。このように、M&Aが為替のトレンドを見極める上で一つの参考になるのです。

 

合わせて読みたい記事

上手な為替のトレードは孫正義から学べ

 

関連記事

外為学部

ページ上部へ戻る