5年ぶりにボーナス減少 企業の「想定為替レート」が私たちの懐具合に与える影響とは?

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5年ぶりにボーナス減少

企業の「想定為替レート」が私たちの懐具合に与える影響とは?

 

| 原因は、円高による自動車産業を中心とした製造業の利益圧迫

日本経済新聞社が5月21日にまとめた「賃金動向調査」によると、2017年夏のボーナス支給額が、5年ぶりに減少することになりました。

その額は、2016年夏と比べて2.75%減の83万9560円。

日本企業の業績は決して悪くありません。時事通信社の調べによると、上場企業の2017年3月決算では、34.6%の企業が過去最高益を更新したそうです。

それなのに、どうしてボーナスの額が減ってしまうのでしょうか。

最大の原因は、どうやら「為替レート」にありそうです

前期(2016年3月)決算時点にかけてのドル円レートは、2015年8月までは1ドル=120円台をキープしていたものの、そこから徐々に円高基調を強め、2016年6月には1ドル=100円を割り込む場面もありました。

資料:ひまわり証券

 

| トヨタなどの輸出企業には、円高は収益押し下げ要因に

円高が進むと、特に日本の自動車産業など輸出型企業の多くは、為替差損の発生による業績下方修正を余儀なくされます。2016年5月11日までに発表された主要企業の「2016年度想定為替レート」は、トヨタ自動車が1ドル=105円でした。

しかもトヨタ自動車は同年8月、想定為替レートを1ドル=102円に再設定するところまで、円高への警戒感を強めた後、トランプラリーによる円安を考慮し、最終的な想定為替レートは、1ドル=108円としています。

ちなみに、2014年度の想定為替レートは1ドル=110円、2015年度が1ドル=115円でしたから、それらから比べると、2016年度の想定為替レートは、かなり円高水準に修正されました。

【輸出企業が出している想定為替レート】

※外為学部調べ

想定為替レートは、輸出入を行う企業が業績の見通しや事業計画を立てるに際して、前もって決めておく為替レートのことです。

対象となる期間中における為替レートが、想定為替レートに対して円安であれば、輸出企業にとって収益押し上げ要因になり、逆に円高であれば、収益押し下げ要因になります。

トランプラリーが始まる2016年11月まで、103円前後で推移していたのですから、自動車など輸出企業を中心にして、2017年3月の決算内容が、2016年3月決算に比べて悪化するのも、当然です。

資料:ひまわり証券

| 輸出企業の想定為替レートの設定による影響が大きい

事実、トヨタ自動車の2017年3月決算は、純利益が前期に比べて21%減少となり、5年ぶりの減益決算になりました。

減益である以上、企業としてもおいそれと従業員のボーナス支給額を増やすわけにはいきません。2017年夏のボーナス支給額が、5年ぶりに減少するのも仕方がないのです。

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