金(ゴールド)価格の動きで通貨の本質が見えるってホント!?

金(ゴールド)価格の動きで通貨の本質が見えるってホント!?

 

| もともと通貨の一種だった金

もともと金は、「通貨の一種」とも言うべき要素を持ち合わせています。金本位制や、戦後の通貨体制の基となったブレトンウッズ体制において、常に金は通貨価値の裏付けとなってきました。

【通貨の価値を金が担保するブレトンウッズ体制】

たとえば、ブレトンウッズ体制の下では、米国は他国の通貨当局から要求があった場合、35ドルにつき1トロイオンス(=31.1035グラム)の金との交換が義務付けられていました。まさに金は、通貨の一種だったのです。そして、円など各国の通貨は、米ドルに対する固定相場が取られ、当時の円は、1ドル=360円に固定されていました。

しかし、1971年のニクソンショックで、ドルと金の兌換は禁止され、1973年2~3月にかけて、各国は固定相場制から変動相場制へと切り替わりました

【変動相場制に切り替わったニクソンショック】

やや極端な言い方ですが、これによって貨幣は単なる金属の固まりに、そして紙幣は単なる紙切れになったのです。

とはいえ、戦後の長きにわたって使われてきた制度が、短期間のうちに全くの別物に切り替わることはありません。ドルと金の兌換は停止されたものの、金はある意味、通貨的な側面を持ちつつ、現在に至っています。ドルや円、ユーロといった通貨はペーパー資産であり、その発行の裏付けとなっている国に対する信認が低下すれば、単なる紙切れになりますが、金は実物資産としての価値がグローバルに認められているため、それ自体は無価値になりません。そのため金は「資産のラストリゾート」と言われ、金融危機などの混乱が生じた時、リスクヘッジの一環として買われる傾向があります。

【国内金価格の推移】

資料:外為学部にて作成

混乱が生じるとリスクオフに

リスクオフになるとドルは売られる

ドルが売られると金が買われる

 

つまり、混乱が生じると金が買われるというロジックになり、ドル建て金価格とドルは逆相関になるはずです。実際、2017年1月12日から5月22日までの90日間で、ドル建て金価格と米ドルの相関係数を見ると、-0.88851になります。相関係数とは-1~+1の間で動くもので、-1に近づくほど反対の値動きになり、+1に近づくほど同じ値動きになります。つまり、過去90日間における相関係数が-0.88851というのは、ドル安になると金価格は値上がりし、ドル高になると金価格は値下がりする傾向が強いことを意味します。

| 「有事の金投資」は今も健在

実際、金価格の値動きを見ると、2017年の年初は1トロイオンス=1,159ドルだったのが、5月23日には1,255ドルまで上昇しています。そしてこの間、ドルは1ドル=117円台から111円台へとドル安が進みました。まさに逆相関です。

【2017年 為替ドル円とNY金の推移】

今後、ロシアゲートなどでドルが波乱含みで推移すれば、当面は金市場に資金が流れやすくなります。それは、ドルに対する信認低下を意味するのです。

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外為学部

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