あなたは、正しく説明できる!?「政策金利」「マイナス金利」

あなたは、正しく説明できる!?「政策金利」「マイナス金利」

 

| 「政策金利」を調整すると世の中に出回るお金の量が変わる

「セイサクキンリ」って言うと、とても堅苦しいもののように思えるでしょうが、要は金利における基準となるものです。

ひとことで「金利」といっても、CDレートやCPレート、10年国債利回り、預貯金金利、長期プライムレートなど・・・(難しい言葉ですが)いろいろな種類があるのですが、政策金利とは、これらのうち「無担保コール翌日物金利」を指しています

「無担保コール翌日物金利」。ますます意味が分からなくなったかと思いますが、これは銀行同士が、短期間の資金を融通する際に適用される金利です。言葉を分解すると分かりやすいかと思うので、バラバラに解説してみましょう。

 

「無担保」=お金を借りるのに担保を差し入れる必要がありません。

「コール」=呼べば返ってくるということで、超短期の金融取引であることを示しています。

「翌日物」=貸借期間を示しており、「借りた翌日に返済して下さいね」という意味です。

 

そんなに短い期間でお金を借りる意味があるのか、と思う方もいらっしゃるでしょうが、銀行の場合、そういうニーズがあるのです。銀行は毎日、多額のお金の決済を行います。その際、その日の決済に必要な資金と、実際に銀行が持っている資金にズレが生じ、お金が不足する銀行と、余る銀行が出てきます。この時、お金の余った銀行が、お金の不足している銀行に、短期間の資金を貸し出すのが、コール市場なのです。

さて、無担保コール翌日物金利がなぜ「政策金利」なのか?というと、この市場には銀行だけでなく、「銀行の銀行」と呼ばれる日本銀行も取引に参加しており、レートの形成に影響を及ぼしているからです。

つまり、無担保コール翌日物金利は、日銀が「今の経済情勢に照らした場合、このくらいの金利水準だったら妥当だよね」と思われる水準になるよう調整する誘導目標のことで、だから「政策金利」と呼ばれるのです。

まあ、ややこしいことは別にして、「政策金利=無担保コール翌日物金利」と覚えておけば良いでしょう。そして、無担保コール翌日物金利が上下すると、それに伴って銀行の定期預金金利や、短期プライムレートという優良企業向け短期資金貸付の金利、さらには住宅ローンの金利などにも影響を及ぼします。このように、日本国内全体の金利に大きく影響しているのです。

 

| 日本の「ゼロ金利政策」の次に出された「マイナス金利政策」とは?

さて、無担保コール翌日物金利は現在、マイナス水準にあります。2017年4月時点ででマイナス0.03〜4%程度です。これが何を意味するかというと、無担保コール市場で資金を調達すると、金利を払うのではなく、逆に金利がもらえるわけです。

そんな取引に応じる銀行があるのかというと、実はあります。民間銀行は、支払い準備のため、日銀に預金の一定率を日々積み立てているのですが、この預けている資金の一部に適用される利率がマイナス0.1%なので、むしろマイナス0.04%の無担保コール翌日物金利の方が、マイナス幅が小さいため、そこに預けようというインセンティブが働くのです。

また、一方で資金を調達する側は、お金を借りることで金利が受け取れるので、借りたいというインセンティブにつながり、マイナス金利でも取引は成立するのです。

なぜマイナス金利にしているのか、ということですが、日銀としては、銀行が預金者から預かったお金を、日銀当座預金に預けるのではなく、企業などへの融資に回して欲しいという考えがあるからです。

【日銀当座預金残高の推移】

ただ、日銀当座預金残高を見ると、マイナス金利導入前の2016年1月時点の月中平均残高が254兆8,684億円、2017年2月が327兆8,040億円で増加していることからすると、日銀の思惑は見事に外れ、マイナス金利を導入して1年以上が経過した今も、資金が世の中全体に回っていないことを物語っています。

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