トランプの“保護主義”は本当に危ない?

トランプの“保護主義”は本当に危ない?

 

| 第二次世界大戦は米国の保護主義がキッカケ!?

トランプ大統領といえば「保護主義」と言われており、中東国の移民受け入れ一時停止の大統領も含め、何かと内向きになりつつある米国は、何が根本原因かわからないけれども、とにかく「危ない」とみる識者は後を絶ちません。

確かに、歴史を紐解くと、保護主義台頭の後には戦争という悲劇が待っています。たとえば、1929年10月24日の「暗黒の木曜日」と言われたNY市場での株価大暴落の後は、大不況によって米国が保護主義に走り、第一次世界大戦を引き起こしました

あるいは第二次世界大戦も、ブロック経済という保護主義の浮上が、世界を巻き込んだ戦争を引き起こしています

この伝で言えば、トランプ大統領が保護主義色を強めるほど、戦争という悲劇につながるのではないかという憶測を招きます。

ただ、本当にトランプ大統領は保護主義なのでしょうか。

確かに「メキシコ国境に壁を造る」とか、「中国からの輸入品に45%の関税率をかける」といった、極めて保護主義的な発言をしてはいますが、それを本気になって実行するつもりなのかというと、ここがまた本音が見えないところです。日米首脳会談は日本と米国の蜜月ぶりをみせるものでしたが、一方でトランプ大統領は、日米首脳会談の前日、中国の周近平国会主席と電話会談を行い、ひとつの中国を認める発言をするなど、中国に対する配慮も忘れていません。こうした中国に対する配慮ぶりを見ると、本当に45%もの関税を掛ける気があるのかどうか、なんだかよくわからなくなるのです。

| トランプ大統領は経済オンチ!?

これは有名な話ですが、トランプ大統領は先般辞任したマイケル・フリン大統領前補佐官に、夜中の3時頃に電話をかけ、「円高と円安、どっちが米国にとって有利なんだ?」と聞いたという話があります。これはワシントンに近い筋の話だと、ジョークでも何でもなく、本当だそうです。つまり、そのくらいトランプ大統領は経済を知らない恐れがあります。

そうなると、これまで意気軒昂にぶち上げてきた保護主義発言も、どこまで本気で話していたのかという疑問が浮上してきます。ひょっとしたら、あれらの発言も、経済のことを知らないからこそ言えた発言だったとしたら、どうなるでしょうか。

その際に取る道は2つでしょう。

ひとつはトランプ大統領の経済オンチを世界中の物笑いのネタにしないため、優秀な側近が常にトランプのそばにぴったりとついて、不用意発言、不用意ツイートをさせないようにする

もうひとつは中間選挙までに、何か理由を揃えてトランプ大統領には職を辞していただく。過去、弾劾裁判によって辞任に追い込まれた大統領はいませんが、米国では弾劾裁判によって大統領を辞めさせることができます。

まずは1期を全うする前に、中間選挙までの2年を持たせられるのか、大統領就任直後の支持率が過去最低を記録したトランプ大統領の政治手腕が注目されます。

戦争は起こらないまでも、世の中が大きく動く可能性のある1年であることは間違いありません。Twitter発言など、SNSにより為替が大きく影響を受けるこのご時世。トランプの一言一句が見逃せない1年になりそうです。

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