カジノが出来ても中国人は来ない!?(後編)

カジノが出来ても中国人は来ない!?(後編)

| カジノで観光客が増えない理由は!?

前編では、カジノで日本は潤うのか?について触れてきました。
訪日外国人数の中でもトップの中国人。その中国人に是が非でもに来てもらいたい日本ですが、年々中国人観光客が日本国内で使うお金が減っている事実があることにも触れてきました。後編では、その点から、カジノが日本経済にとって良いかどうかと彫り下げていきます。

なぜ、中国人観光客が日本国内で使うお金が、大幅に減ったのでしょうか。

いろいろ考えられますが、昨年4月、中国政府は携行輸入品に対する関税を大幅に引き上げました。つまり日本で買ったものを中国国内に持ち帰る際、払わなければならない関税率が引き上げられたのです。また、中国人観光客が必ずといって良いほど持っている、銀聯カードによる海外での現金引出限度額も、年間10万元に制限されました。

中国国民のお財布代わりのクレジットカート「銀聯カード」

 

なぜ、このような制限が設けられたのかというと、中国の外貨準備が大幅に減っているからです。

中国の外貨準備は2014年6月に3兆9900億ドルになり、過去最高を記録しました。それが、2017年1月末には2兆9980億ドルまで減少しています。わずか2年7カ月で1兆ドル近くも目減りしました。

【中国の外貨準備高の推移】

今、中国国内では資本流出懸念が浮上しています。

当然、中国政府としては、中国人に海外で爆買いなどされたくないわけです。結果、携行輸入品への関税引き上げや、銀聯カードの使用制限が課せられるようになったのです。

そのうえ、習近平国家主席が行っている腐敗撲滅運動により、党幹部などの富裕層が、カジノで大散財できなくなりました。実際、そういう人たちが大勢集まっていたとされるマカオは、2014年6月から2016年7月まで、実に26カ月連続で、カジノの月次売上が前年割れになりました。最近は徐々に回復しつつあるようですが、それでも年間の売上高を見ると、ピークだった2013年の3607億バタカには遠く及ばず、2016年は2232億バタカに止まりました

中国人にとって地理的には日本よりもはるかに近いマカオで、これだけの打撃を受けているのですから、あえて日本のカジノに来る中国人が増えるとも思えません

IR推進法による経済効果は、案外期待外れになる恐れがありそうです。

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